FIRE前チェックリストを作る(2.退職意向を会社に伝える編)

【FIRE前チェックリスト】連載の第2弾、今回は「退職意向を会社に伝える編」です!

前回の「伝える前編」で、お金とメンタルの最終防衛ラインはバッチリ確認できましたね。今回は、いよいよ上司に「辞めます」と切り出す“Xデー”から逆算したチェックリストをお届けします。

仕事に対して真面目で、これまで会社や組織に大きく貢献してきた人ほど、このフェーズでは「引き止めに合って決意が揺らぐ」「罪悪感に押しつぶされそうになる」といった強いメンタルブロックがかかりがちです。

波風を立てず、かつ自分の希望するスケジュール通りに完全な自由を勝ち取るための具体的なチェックポイントを、一緒に確認していきましょう!

📄 FIRE前チェックリスト:退職意向を会社に伝える編

このフェーズの目的は、「会社の引き止めをスマートにかわし、円満かつ確実に退職日を確定させること」です。

🟩 チェック1:就業規則を「自分の目」で確認したか?

多くの会社員が「退職は2ヶ月前に言うのがマナー」などと漠然と考えていますが、会社ごとにルールは異なります。まずは会社の法律である「就業規則」を事前にチェックしましょう。

  • [ ] 就業規則の「退職規定」を読み、何ヶ月前までに申し出る必要があるか確認した。
  • [ ] 民法の規定(※1)も頭に入れ、会社独自のルールが厳しすぎる場合の対策を知っている。

💡 民法と就業規則のバランス(※1) 法律上(民法第627条)では、期間の定めのない雇用契約の場合、退職の2週間前に申し出れば辞めることができるとされています。会社が強硬に独自ルールを押し付けてきたときのために、このことを知っておきましょう。ただし、円満退職や引き継ぎの観点から、まずは会社の就業規則(通常は1〜3ヶ月前と記載されていることが多いです)を優先してスケジュールを組むのが大人のマナーです。

🟩 チェック2:引き止めに「反撃する」強力な理由を用意したか?

上司に退職を切り出すと、9割以上の確率で「次のあてはあるのか?」「不満があるなら改善するから残ってくれ」と引き止められるでしょう。ここで曖昧な理由を言うと、交渉が長引いて泥沼化します。

  • [ ] 「交渉の余地が一切ない、個人的かつ前向きな理由」を準備している。
  • [ ] 「FIREします(資産があるから会社を辞めます)」とは口が裂けても言わないと心に決めている。

【FP匠のアドバイス】 会社に「FIREします」「セミリタイアします」と本当の理由を伝えるのは、一般的にはお勧めできません。「お金があるなら、じゃあボーナスを減らしてもいいよね」と邪推されたり、周囲の嫉妬を生んだりする原因になります。 そこで無難でおすすめの理由は、「以前から準備していた個人事業(自分のビジネス)に専念する」「ライフスタイルを大きく変え、別の活動(または家族のサポートなど)に時間を100%投じる」といった、会社側が代替案を出せない「個人の生き方・志」を理由にすることです。
なお、私の場合は現場への異動希望がかなわなかったことも早期にFIREした理由の一つだったため「この会社でできることをやり切った、今のポジションはほかの社員でも十分代替できる業務であり、自分がここで働く理由はもうなくなったので辞めます」と、捉え方によってはFIREを想像される可能性がある理由で辞めました。これは、本心をしっかり会社に伝えたかったからであり、FIREを伝えることのリスクを受け入れた上での判断ですので、お勧めはできません(レアケースだと思います)。

🟩 チェック3:有給休暇の「全消化」を織り込んだスケジュールを組んだか?

働きすぎてしまう人ほど、有給休暇が上限の40日近く残っているケースが多いでしょう。これはあなたがこれまで会社に貢献してきた「正当な権利」ですから、1日も残さず使い切りましょう。

  • [ ] 自分の有給残日数を正確に把握している。
  • [ ] 「最終出社日」と、有給を消化した後の「本当の退職日」の2つを切り分けて計算している。
  • [ ] 「退職」を上司に切り出す日も退職日・有休消化開始日から逆算して決定している

【理想のタイムライン例:有給が40日残っている場合】

  • 10月1日: 上司に退職意向を伝える(11月末で最終出社と交渉)
  • 10月〜11月: 通常業務をこなしつつ、完璧な引き継ぎを行う
  • 11月30日: 【最終出社日】 挨拶回りをして会社を去る
  • 12月〜1月: 約2ヶ月間の「有給消化期間」(会社に籍はあるが完全自由)
  • 1月31日: 【正式な退職日】

【FP匠のアドバイス】 書き込みできるカレンダーを印刷して、有休をカウントしながらスケジュールを立てることをお勧めします。会社によってはボーナス支給日に在籍したほうが有利に辞められることもあるでしょう。退職日のタイミングは念入りに決めていきましょう。
ちなみに私は、退職日直前まで有休と出社を繰り返すシフトで辞めることにしました。これはそのほうが繁忙日に集中的に出社できるため引き継ぎがスムーズにいくこと、週2~週3勤務したセミリタイア生活が予行練習できることが理由です。

🟩 チェック4:退職届の「提出のタイミング」を決めたか?

口頭で伝えるだけでは、上司のところで話がストップしてしまうことがあります。

  • [ ] 退職届をいつ上司に出すか検討し、その日程を戦略的に決めた。
  • [ ] 退職願」ではなく「退職届」の書面を作成した。
  • [ ] 口頭での合意が得られたら、その流れで人事へ回してもらうよう手渡す段取りができている。

【FP匠のアドバイス】 退職を切り出すときは、まずは直属の上司に「お話があります」と会議室を確保します。ドラマのようにいきなり机に叩きつけるのではなく、まずは口頭で決意が固いことを伝え、相手が納得した(あるいはスケジュールが確定した)段階で「退職届」を提出するのが、これまでお世話になった組織へのスマートな礼儀です。
ちなみに私は上司や人事部門のトップに伝えたはずの異動希望が蔑ろにされたため、異動がないと分かった面談の時点でその場で「それなら秋までに辞めることにします」と伝えました。

まとめ:切り出す瞬間だけ、少しの「勇気」を

「会社を辞める」と伝えるのは、会社生活の中で最もエネルギーを使う瞬間の一つかもしれません。お世話になった上司や同僚の顔が浮かび、申し訳ない気持ちになるのも無理はありません。

でも、思い出してください。あなたの人生の主役は、会社でも上司でもなく、あなた自身です。完璧な引き継ぎスケジュールを提示すれば、会社に迷惑がかかることはありません。

このチェックリストが埋まったら、あとは勇気を持ってミーティングの予約を入れるだけです!

次回は、無事に退職が承認された後のステップ、「第3弾:退職が目の前に迫ったら編」をお届けします。 実務の引き継ぎのコツから、会社から返却してもらう書類、身の回りの整理について細かく解説しますね。

新たな自由への扉を開けるための一歩、応援しています!

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