「○千万達成」に違和感を感じる、その理由

SNSやネットを見ていると、

「資産3,000万円達成」
「5,000万円突破」
「ついに準富裕層になりました」

といった投稿をよく見かけます。

もちろん、長く続けてきた資産形成が数字として実るのは、素直にすごいし素晴らしいことだと思います。

私自身も資産形成を長く続けてきましたし、資産額が増えると、やっぱりうれしい。

それでも、「○千万達成」という数字だけが大きく切り取られているのを見ると、それはそれで少し違和感を覚えることがあります。

たぶん私は、資産形成そのものよりも、そのお金でどんな暮らしをするのかの方に関心があるからだと思います。

資産が増えても、翌日の暮らしは案外変わらない

資産が2,000万円から3,000万円になった日。

何か劇的に生活が変わるかというと、実際にはそれほど変わりません。

朝起きる時間も同じ。

食べるものも同じ。

子どもの学校も同じ。

住宅ローンも、固定資産税も、スーパーで買う食材の値段も変わりません。

もちろん、資産が増えれば安心感は増します。

選択肢も広がります。

ただ、実体験として「3,000万円を超えた瞬間に人生が一段上へ進む」ということはありませんでした。

数字は区切りとして分かりやすい一方で、本当の暮らしはもっと連続的ですし、そうそう変わりません。

資産額だけでは「家計の強さ」は分からない

たとえば、

  • 資産5,000万円で年間600万円使う家庭
  • 資産3,000万円で年間300万円で暮らす家庭

があったとします。

どちらが安心かは、資産額だけでは決められません。

住宅ローンがあるのか。

子どもの教育費がこれからどのくらいかかるのか。

今後も仕事をするのか。

不動産収入など別の収入があるのか。

こうした条件まで含めて見ないと、本当の家計の余裕は分かりません。

だから私は、「資産○千万」という数字を見るとき、その金額そのものよりも、

その人は年間いくらで暮らしていける人なん、だろうか

という方が気になります。

資産形成にも「使う時期」がある

もう一つ気になるのが、資産形成を急ぐあまり、今の生活を削りすぎてしまうことです。

これは特に、子どもがいる家庭では考えることがあります。

子どもが小さい時期は、意外と短い。

家族旅行へ行ったり、

公園へ出かけたり、

一緒にゲームをしたり、

車で少し遠くまで遊びに行ったり。

あとから考えると、そういう何でもない時間の方が思い出に残っていたりします。

もちろん、将来のために貯めることも大切です。

でも、

今しか使えないお金

もあります。

若いうちに旅行へ行くこと。

子どもが一緒に遊んでくれるうちに出かけること。

体力があるうちに趣味を楽しむこと。

これも立派なお金の使い方だと思っています。

私も「貯めること」自体はかなり好きです

こう書くと、資産形成を否定しているように見えるかもしれません。

むしろ逆です。

私は昔から家計簿をつけたり、投資をしたり、不動産を買ったりして、かなり長い期間お金のことを考えてきました。

資産が増えるのも好きです。

数字を見るのも好きです。

ただ、長く続けてきたからこそ、

資産額を増やすことだけを目的にすると、どこで終わればいいのか分からなくなる

とも感じています。

3,000万円になれば5,000万円。

5,000万円になれば7,000万円。

7,000万円になれば1億円。

数字だけを目標にすると、ゴールはいくらでも先へ伸びていきます。永遠に。

ある程度から先は「何に使うか」の方が難しい

資産形成の前半は、比較的シンプルです。再現性もあります。

収入を増やす。

支出を整える。

余ったお金を投資する。

これを長く続ける。

難しいのは、その先です。

ある程度お金が貯まったあと、

「では、このお金を使ってどう暮らしたいのか」

を考えなければなりません。

仕事を減らすのか。

家を買うのか。

子どもとの時間を増やすのか。

旅行へ行くのか。

好きな車に乗るのか。

新しい仕事を始めるのか。

こちらの方が、単純に資産額を増やすより難しいし、人によって大きく違ってくる気がしています。

比べるなら、資産額より「自由度」

最近は、資産額そのものよりも、

どのくらい自分で選べる状態になったか

を見るようになりました。

仕事を辞めてもすぐには困らない。

嫌な、もしくは単調な仕事を無理に続けなくてもよい。

家族との予定を優先できる。

急な出費があっても慌てない。

やってみたいことにお金を使える。

こうした自由度が増えているなら、資産形成はかなりうまくいっているのではないでしょうか。

「○千万達成」は通過点くらいがちょうどいい

資産3,000万円。

5,000万円。

1億円。

節目として喜ぶのはいいと思います。

私も喜びます。

ただ、それを他人と競うランキングのように考える必要はありません。

大事なのは、

そのお金のおかげで、自分や家族の暮らしが少し楽になったか。

私はそこを見ていたいと思っています。

資産額はとても分かりやすい数字です。

でも、ある程度の領域になり、資産形成の後半に差し掛かると、人生で本当に増やしたいのは、数字だけではない。

最近はそんなふうに考えるようになりました。

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