無理しないFIRE

FIREという言葉には、どうしても極端にストイックなイメージがあります。

生活費を限界まで削る。

収入の大半を投資する。

できるだけ早く数千万円、できれば1億円を作る。

そして、なるべく若いうちにさっさと会社を辞める。

確かに、数字だけを追えば合理的でインパクトがあるのかもしれません。

でも私は、そこまでストイックなFIREを目指してきたわけではありません。

むしろ、FIREは全く目指していませんでした。生活の最適化と投資の継続、不動産の買い増しで、気がついたらお金が貯まっていたのです。

途中、

家族旅行は、国内ばかりとはいえ、毎年何度も行きました。

車も新車で買ってます(長く乗りますが)

家も2回買いました。

子どもともそれなりに遊びました。

株主優待が好きで、株を衝動買いしますし、必ずしも最も効率のいい投資だけをしてきたわけでもありません。

それでも、気がつけば会社を辞めても生活できるくらいのところまで来ていたのです。

振り返ってみると、自分がやってきたのは、

FIREするために今を犠牲にする方法ではなく、今の暮らしも楽しみながら少しずつ自由を増やしていく方法

だったのだと思います。

これを私は勝手に「気がついたらFIRE」「無理しないFIRE」と考えています。

今の生活を削りすぎない

資産形成を始めると、支出は少なければ少ないほど良いように思えてきます。

外食を減らす。

旅行へ行かない。

車を持たない。

趣味に使わない。

住宅費も極限まで下げる。

そして浮いたお金を全部投資する。

このストイックなやり方、理屈としては正しいです。

ただ、それを20年続けたいかというと、私は無理でした。

特に子どもがいると、

今しかできないこと

があります。

小学生の子どもと平日に遊びに行ける時間も、あと少しです。

家族4人で旅行できる時期も永遠には続きません。たぶん。

子どもが大きくなれば、親より友達と遊ぶ方が楽しくなるでしょう。

そのときに、

「資産形成を優先しないで、家族でもっと出かけておけばよかった」

と思っても時間は戻ってきません。

だから私は、

削ってもあまり幸福度が変わらないものは削る。
でも、今しかできないことには使う。

という方が自分には合っていました。

節約は「我慢」より「仕組み」

とはいえ、好きなだけ使っていたら当然お金は貯まりません。

そこで重要だったのが、生活の満足度をあまり落とさずに支出を減らすことでした。

通信費を見直す。

保険を整理する。むしろ、入らない。

住宅費を考える。

税金や制度を知る。

無駄な手数料を払わない。

飲み物は、買わない。

必要のない契約をやめる。

そして大きかったのが、不動産です。

我が家の場合、賃貸併用住宅を持ったことで住居費と不動産収入がつながりました。

一般的な節約とは少し違いますが、

毎月必ず出ていく大きなお金を、仕組みそのものから変える

ことが資産形成にはかなり効きました。

スーパーで10円安いものを探すことも悪くありません(安いもの探し、大好きです)。

でも、それより住宅費や保険、車、通信費のような大きな固定費を一度見直す方が効果は大きい。

固定費の最適化は、一度仕組みを作れば、あとはあまり、、、いや、まったく頑張らなくても続きます。

私はこの方法の方が好きですし、お勧めしています。

投資も「最高効率」だけを求めなくていい

投資についても同じです。

今振り返れば、

「全部インデックスファンドに入れておけば、もっと資産は増えていた」

と思うことはあります(思い返すとちょっと悔しい)。

だけど、個別株も買います。

株主優待も大好きです。

高配当株も持っています。

不動産にもかなりお金を入れています。

投資信託も積み立てています

結果だけ見れば、もっと効率の良い方法はあったでしょう。

でも、20年近く投資を続けられた理由の一つは、

投資そのものを楽しんでいたから

だと思っています。

優待が届く。

配当金が入る。

気になった企業を調べる。

不動産を探す。

そういう楽しさがあったから長く続きました。

資産形成は、1年や2年で終わるものではありません。

10年、20年と続きます。

だったら、

100点だけど自分には退屈な方法より、

80点でも楽しく続けられる方法。

それでもいいと思っています。

FIREのために1億円必要とは限らない

FIREについて調べると、

「4%ルール」

などを使って必要資産額を計算する方法が出てきます。

年間生活費が400万円なら1億円。

年間500万円なら1億2,500万円。

こういう計算です。

一つの目安としては分かりやすい。

ただ、実際の生活はもう少し複雑です。

不動産収入がある。

配偶者の収入がある。

少し仕事をする。

年金もある。

子どもが独立すれば生活費は変わる。

住宅ローンもいつか終わる。

こうしたものを全部無視して、

「一生の生活費をすべて金融資産から出す」

前提にすると、必要資産額は当然大きくなります。

私はそこまで完全なリタイアを目指していません。

だから、

資産額だけでFIREラインを決める必要はない

と思うようになりました。

少し働けば、必要資産額は大きく変わる

以前の記事でも書きましたが、FIRE後に少しでも収入があれば状況はかなり変わります。

たとえば年間400万円で暮らしている家庭があったとして、

年間100万円働いて稼げば、資産から必要なのは300万円。

収入が年間200万円なら200万円です。

これだけでも必要な資産額はかなり変わります。

しかもFIRE後なら、

高い給料を得るために週5日働く必要はありません。

週2日でもいい。

繁忙期だけ働いてもいい。

小さな商売でもいい。

自分の経験を使ってもいい。

不動産収入でもいい。

生活費のすべてを労働で稼ぐ必要がなくなれば、仕事の選び方はかなり自由になります。

これは私が会社を辞めてから強く感じていることです。

無理しないFIREは「辞める日」を決めることではない

FIREというと、

「○年○月にFIRE達成!」

という明確なゴールを想像します。

でも、自分の場合はそんなにきれいではありませんでした。

資産が増える。

不動産収入が増える。

住宅費が下がる。

仕事を続ける必要性が少しずつ下がる。

そして、

「あれ、もう会社員を続けなくても大丈夫なんじゃないか」

というところまで来た。

ある日突然FIREしたというより、

働かなければならない度合いが、少しずつ下がっていって最後はやめても平気になっていた

という感覚の方が近いです。

0か100かではありません。

会社を辞める前から、自由度は少しずつ上がっていました。

生活防衛資金はやっぱり大事

無理しないFIREだからこそ、現金も大事にしています。

投資だけなら、できるだけ多く市場に置いた方が期待リターンは高くなります。

でも、FIRE後は会社員時代のような安定した給与がありません。

株価が下がることもある。

賃貸不動産で修繕が発生することもある。

車が壊れることもある。

家の設備交換だってあります。

そういうとき、

「株を売らないと現金がない」

という状態は、私には落ち着きません。

多少効率が悪いけど現金を持っておく。

これも無理しないFIREの一部です。

資産運用の効率より、夜ちゃんと眠れることの方が大事です。

FIREしたけど、意外と暮らしは変わらなかった

会社を辞める前は、

「FIREしたら生活が大きく変わるのかな」

と思っていました。

でも実際には、それほど、、、いや、ほとんど変わりませんでした。

同じ家に住んでいる。

同じスーパーへ行く(でも、空いてる時間に行ける。最高。)。

(車は・・・FIREと同時に買い替えたから気持ちが新鮮。)

子どもは同じ学校へ行く。

休日も同じように出かける。

違うのは、

朝の慌ただしさがなくなったこと。

通勤しなくなったこと。

平日の予定を自由に入れられること。

仕事をするかどうかを自分で決められること。

派手ではありません。むしろ地味。

でも、この違いはかなり大きい。

FIREして豪華な暮らしをしたかったわけではなく、

普通の暮らしから「嫌な部分」だけ少し減らしたかった

のかもしれません。

「もっと早く」より「無理なく続く」を選ぶ

資産形成だけを考えれば、

もっと節約できた。

もっと投資できた。

もっと早くFIREできた。

という部分はいくらでもあります。

でも、それで良かったと思っています。

資産形成に20年使って、

その20年間をずっと我慢していたら本末転倒です。

貯める。

使う。

投資する。

遊ぶ。

働く。

休む。

その全部を少しずつやる。

最短距離ではないかもしれません。

でも、自分にとってはこれくらいがちょうどよかった。

FIREするために人生を急がない。

これが、今のところ私が考える「無理しないFIRE」です。

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