FIREの資産額は本当に比較できるのか

ネットやSNSを見ていると、

「資産3,000万円でFIRE」
「5,000万円あればサイドFIREできる」
「1億円あれば安心」

といった数々の数字を見かけます。

こういう数字は目安として面白い一方で、自分の暮らしにそのまま当てはめるのは難しいと思っています。

家族構成も違えば、住んでいる場所も違う。持ち家か賃貸か、子どもがいるか、FIRE後に少し働くのか完全に働かないのかでも、必要なお金は大きく変わります。

私自身、家族4人で暮らしながら資産形成を続けてきましたが、FIREについて考えるほど、「資産額だけ比べてもあまり意味がない」という感覚が強くなりました。

同じ3,000万円でも条件が違えば意味はまったく違う

たとえば、資産3,000万円を持つ2人がいたとします。

一人は独身で、家賃の安い部屋に住み、毎月15万円程度で生活できる。

もう一人は4人家族で、住宅費に加えて教育費や車の維持費もかかる。

同じ3,000万円でも、そのお金で叶う暮らしはかなり違います。

単純に「4人家族だから必要額も2倍」と計算できるものでもありません。

家庭によって、固定費も違えば将来の収入も違うからです。

資産額だけでは見えない「住まい」

FIREとの相性を考えるうえで、かなり大きいのが住居費です。

住宅ローンが大きく残っている家庭と、住宅費がほとんどかからない家庭では、必要な金融資産は当然変わります。

親から引き継いだ家に住んでいる人もいれば、地方の中古住宅を安く購入している人もいます。

我が家の場合も、住まいと不動産収入はかなり密接につながっています
(我が家が気がついたらFIREできたのは、賃貸併用住宅を持っていたことが大きく影響しています)。

だから「金融資産○千万円」という数字だけを見ても、その人の経済状態はほとんど分かりません。

住宅ローンやその他の負債、不動産なども含めて考える必要があります。

FIRE後にいくら稼ぐかでも必要額は変わる

もう一つ大きいのが、FIRE後の収入です。

完全に仕事をやめるのか。

週に2~3日だけ働くのか。

不動産収入があるのか。

好きな仕事だけ続けるのか。

毎月10万円でも収入があれば、資産から取り崩す金額は年間120万円減ります。

20万円なら年間240万円です。

こう考えると、「完全リタイアする人」と「少し働き続ける人」を同じ資産額で比べること自体にあまり意味がありません。

私自身も、仕事を完全にゼロにすることにはあまり興味がありません。

時間の自由を増やしながら、やりたい仕事は続ける。

そのくらいの状態の方が、自分には合っています。

郊外暮らしもFIREの条件を変える

暮らす地域によっても必要なお金は変わります。

町田・相模原あたりで暮らしていると、都心とは住宅費の感覚がかなり違います。道も、家も、広いです。

一方で、都心ならほとんど使わない車が必要になる家庭も多い。

つまり、

「郊外だから安い」

と単純には言えません。

住居費は抑えやすいけれど、車にお金がかかる。

庭付きの戸建ての家を持てば修繕費も自己負担で必要になる。

その代わり、近場の公園や自然を使えば、お金をかけずに家族で楽しめることも多い。

このあたりも含めて、自分たちの生活費を実際に把握することの方が、ネット上のFIRE資産額を見るよりずっと重要です。

比較するなら「他人」より「去年の自分」

FIREを考えると、どうしても人の資産額が気になります。

私も資産形成をしてきたので、その気持ちはよく分かります。

でも、本当に見た方がいい数字は、

  • 年間でいくら使っているか
  • 固定費はいくらか
  • 住宅費はいくらか
  • 今後の教育費はどのくらいか
  • FIRE後にも収入があるか
  • いくらあれば安心して眠れるか

といった、自分の暮らしの数字です。

去年より資産が増えた。

住宅ローンが減った。

年間生活費が分かるようになった。

投資以外の収入源が増えた。

そういう変化の方が、自分の自由度を判断する材料になります。

FIREの「必要額」は人によって違って当然

結局、FIREに必要な資産額は一つではありません。

3,000万円で十分な人もいれば、1億円あっても不安な人もいます。

家族構成、住まい、働き方、地域、生活費、そして本人がどんな暮らしをしたいか。

全部違うからです。

ネットで見かける「○千万円でFIRE」という数字は、面白いのですが参考資料くらいに眺めておけば十分だと思います。

比べるなら、他人の資産額よりも、少し前の自分の暮らし。

私はそのくらいの距離感でFIREを考える方が、ずっと気楽だと思っています。

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