私は、仕事が嫌いで会社を辞めたわけではありません。
むしろ逆です。
不動産の仕事は好きでした。
仕事していてストレスになったことはあまりありませんでした(もちろんそれなりに大変な出来事はありましたが)
忙しい方が落ち着くこともありました。
難しい案件を整理したり、分からないことを調べたり、人から相談を受けたりするのも嫌いではありません。
そうして、気がつくと、
仕事。
資格の勉強。
不動産。
投資。
サイト作り。
また別の勉強。
と、いろいろ手を出しています。
以前、
「仕事と不動産が好きすぎて、ブレーキが利かない人ですよね」
と言われたことがあります。
たぶん、その通りです。だから最近思うのです。
仕事が好きな人は、意識してブレーキを作った方がいいのかもしれない。
働きすぎは、必ずしも「嫌々働いている人」だけの問題ではない
「働きすぎ」と聞くと、
嫌な仕事を長時間やらされている。
上司に無理を言われている。
残業ばかりしている。
というイメージがあります。
もちろん、そういうこともあります。
でも別のタイプもいます。
なぜかどこの部署にいても仕事が面白い。
成果が出るとうれしい。
頼られるとうれしい。
忙しい方が充実している。
自分でどんどん仕事を増やしてしまう。
スケジュールはパンパンが大好き。
私はこちら側でした。
このタイプは、自分ではあまり「無理をしている」と感じません。
好きでやっているからです。
でも、
好きなことでも時間と体力は使います。
そこが少し厄介です。
「できるからやる」を続けると、仕事は際限なく増える
会社員をしていると、
できる人には仕事が集まります。
相談される。頼まれる。
担当外でも対応する。やってみると担当外なのにできてしまう。
人が足りなければ入る。
困っている案件を引き受ける。
それを繰り返していると、
「やればできる仕事」
がどんどん増えます。
そして、できるから断らない。
結果として忙しくなる。
本人としては、
「必要な仕事をやっているだけ」
だったりします。
でも、ここには終わりがありません。
仕事というのは、不思議なもので、
空いた時間があれば、その分だけ新しい仕事が入ってきます。
だから、
仕事が終わったら休もう。
時間ができたら家族と過ごそう。
落ち着いたら趣味をやろう。
と思っていると、いつまでたってもその順番が来ません。
お金が貯まっても、働き方は勝手には変わらない
資産形成を始めた頃は、
お金がある程度貯まれば自然と安心して働く量を減らせると思っていました。
でも、実際はそう単純ではありません。
資産が増えると、
あと1,000万円。
もう少し。
せっかくだからここまで。
となります。
仕事も同じです。
今年まで。
この案件まで。
この役職まで。
このプロジェクトが終わるまで。
そうやって区切りを先送りし続けることができます。
つまり、
お金が十分になったからといって、自動的に仕事を減らせるわけではない。
どこかで自分で決めないと、ずっと走り続けます。
私にとって会社を辞めることは「強制ブレーキ」でもあった
私は結果として会社を辞めました。
今振り返ると、
これは収入の問題だけではなく、
働き方を一度リセットするための強制ブレーキ
でもあったように思います。
会社に所属していると、
明日は出勤する。
来週も働く。
来月も働く。
来年もたぶん働く。
という流れが自然に続きます。
それを止めるには、意外と大きな決断が必要です。
会社を辞めれば、その流れはいったん切れます。
そこから、
どのくらい働くか。
何をするか。
誰と仕事をするか。
どこで仕事をするか。
を自分で決め直せます。
私には、その一度立ち止まる時間が必要だったのだと思います。
資産形成の役割は「もっと働く」ためではなかった
資産形成をしている途中では、
資産が増えるほど、
「もっと増やせる」
と思っていました。
給料を増やす。
投資額を増やす。
不動産を増やす。
さらに働く。
確かに、それを続ければ資産はもっと増えます。
でも、あるところで、
何のためにお金を増やしているんだろう
と考えるようになりました。
私の場合、お金を増やしたかった本当の理由は、
高級品を買いたかったからでも、
大きな資産額を見せたかったからでもなく、
自分で時間を選べるようになりたかったから
だったのだと思います。
それなら、資産がある程度できた時点で働き方を変えないと意味がありません。
「働かない」のではなく「働きすぎない」
今でも仕事はしたいです。
むしろ、やりたいことはたくさんあります。
不動産。
FP。
相続。
地域のこと。
サイト。
仕組み作り。
勉強。
たぶん放っておけば、また予定を埋めてしまいます。
だから今後の課題は、
仕事をすることではなく、仕事を増やしすぎないこと
だと思っています。
週3日くらい働く。
予定を入れない日を残す。
家族の予定を先に入れる。
面白くないと感じる仕事は無理に受けない。
自分でやらなくてもいいことは任せる。
こういう制限を意識して作らないと、
また以前と同じところへ戻ってしまいそうです。
自分の仕事になると、さらに止まりにくい
会社員なら、
勤務時間。
休日。
上司、部下。
会社のルール。
という外側の制約があります。
自分で仕事を始めると、それがなくなります。
これは自由、かもしれません。
でも同時に危険、でもあります。
夜でも仕事ができる。
土日でもできる。
家でもできる。
スマホでもできる。
思いついたらすぐ始められる。
つまり、
いつでも働ける。
これは働くのが好きな人にとっては、かなり危ない環境です。
会社員より自由になった結果、
会社員以上に働いていた。
ということも普通にありそうです。
私自身、サイトを作り始めると延々触ってしまいます。
気になることがあると調べ続けます。
これから自分で仕事をするなら、
「自由だから働く」
だけでなく、
自由だから休む
ことも覚えないといけません。
お金以外の予定を、先に入れておく
働きすぎる人の場合、
空いた時間に休もうとしても、おそらく休めません。
その時間に仕事を入れてしまうからです。
だったら、
家族との予定。
旅行。
何もしない日。
趣味。
子どもの行事。
こういうものを先に予定に入れてしまう。
仕事は残った時間に入れる。
会社員時代とは、順番を逆にする。
私はこのくらい意識しないと、また仕事中心になってしまう気がしています。
「自分で選んで忙しい」と「選べず忙しい」は違う
FIRE後も、私はたぶん暇にはならないと思います。
むしろ忙しくしている可能性があります。
ただ、会社員時代と違うのは、
その忙しさを自分で選べる
ことです。
今週は仕事を多くする。
来週は減らす。
この案件はやる。
これはやらない。
午前中だけ働く。
今日は休む。
同じ忙しさでも、自分で決めたものなら感覚はかなり違います。
私が欲しかったのは、
暇な人生ではなく、
自分で忙しさを調整できる人生
だったのかもしれません。
「稼げるうちは働く」が必ずしも正解ではない
40代なら、まだまだ働けます。
収入もある。
経験も増える。
資産も増やせる。
だから、
「今のうちにできるだけ稼いでおこう」
という考え方もあります。
それも一つの正解です。
ただ、40代には40代の時間もあります。
子どもが小さい時期。
親がまだ比較的元気な時期。
自分自身にも体力がある時期。
それって後から買い戻せません。
だから、
働けるから働く
だけではなく、
今この時間を仕事に使うか
を考えるようになりました。
人生設計は、お金だけでは完成しない
FPの世界では、ライフプランといって、
収入。
支出。
教育費。
住宅費。
老後資金。
資産運用。
といった数字を、ライフプラン表を作って考えます。
もちろん大事です。先が見通せるようになります。
でも実際に会社を辞めてみると、
人生設計・・・人生の先を見通す上で、もう一つの要素が必要だと思うようになりました。
どのくらい働きたいのか。
です。
60歳までフルタイムで働くのか。
50歳から仕事を減らすのか。
40代で一度会社を辞めるのか。
週3日にするのか。
好きな仕事へ変えるのか。
数字だけではなく、
「時間をどう使いたいか」
まで決めないと、人生設計は完成しません。
働きすぎる人に必要なのは、アクセルではなくブレーキかもしれない
仕事が好き。
勉強も好き。
新しいこともやりたい。
稼ぐことも嫌いではない。
そういう人は、たぶん放っておいても前へ進みます。
だから必要なのは、
もっと頑張る方法ではなく、
どこで止まるかを決めること
かもしれません。
繰り返し書きますが、私自身、会社を辞めてもおそらく何かを始めます。
そして、たぶんまた忙しくなります。
だから今度は、
仕事を増やすことと同じくらい、
仕事を減らすことも意識したい。
資産形成で手に入れた自由を、
また仕事で全部埋め尽くしてしまわないように。
これからの私にとっては、その方がずっと難しい課題になりそうです。
